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ライター石井徹の個人ブログ

国会で誰が何を言ったか、Claudeで調べられるスキルを作った

選挙シーズンになると、立候補者が過去にどんな発言をしてきたのか気になりませんか。

国会会議録検索システム(国立国会図書館が運営)を使えば、1947年の第1回国会から現在までの議事録を全文検索できます。ただ、毎回Webサイトを開いて検索するのは少し手間がかかります。

そこで、Claude(Anthropicが開発するAIアシスタント)に「国会議事録を検索できるスキルを作れないか」と相談してみたところ、APIの仕様調査から実装まで全部やってくれました。

できあがったスキルを公開するので、よければ使ってみてください。

Claude Desktop上で国会議事録検索スキルを利用している画面

スキルのダウンロードとインストール

ダウンロード

kokkai-search.skill

インストール手順

  1. 上のリンクから.skillファイルをダウンロード
  2. Claude Desktop(またはclaude.ai)の設定画面を開く
  3. 「機能(Capabilities)」→「スキル(Skills)」セクションへ
  4. ダウンロードした.skillファイルをドラッグ&ドロップ

ネットワーク許可の設定(重要)

このスキルは国会図書館APIにアクセスするため、ネットワーク許可の設定が必要です。

  1. Claude DesktopまたはClaude Web設定画面を開く
  2. 「ネットワーク(Network)」セクションへ
  3. 許可ドメインkokkai.ndl.go.jp を追加

この設定をしないとAPIに接続できず、スキルが動作しません。

※この設定はスマホアプリにはありません。ブラウザでclaude.aiを開いて設定してください。

使い方

インストールが完了すれば、Claudeに話しかけるだけで使えます。

基本的な使い方

「生成AIについて国会でどう議論されているか調べて」
「河野太郎議員の発言を検索して」
「2024年の予算委員会で半導体について何が話し合われた?」

実際に使ってみた例:衆院東京1区の候補者を調べる

2026年の衆院選に向けて、東京1区の立候補者の国会発言を調べてみました。

候補者 所属 発言記録
山田美樹 自民党 259件
海江田万里 中道 4687件
吉川里奈 参政党 158件
春山明日香 維新 0件(新人)
黒田朝陽 共産党 0件(新人)

たとえば山田美樹議員は、地元・新宿区の外国人住民比率(12.5%)に触れながら共生社会について発言していました。海江田万里議員は財務金融委員会で超低金利政策の家計への影響について独自の試算データを示していました。

新人候補の場合は国会発言がないので記録は出てきませんが、現職・元職の議員であれば過去の発言を確認できます。

開発の経緯

きっかけ

国会会議録検索システムにはAPIが公開されていて、プログラムから検索できることを知っていました。Claudeの「スキル」機能を使えば、このAPIを叩くスクリプトをClaudeに持たせられるのではないかと思いつきました。

Claudeに相談

「国会議事録APIでスキル作れないかな」と聞いてみたところ、まずAPIの仕様を調べてくれました。

  • エンドポイントのURL
  • 使えるパラメータ(発言者、期間、会議名、キーワードなど)
  • 出力形式(JSON/XML
  • レートリミット

実装

仕様が分かったら、Claudeがスキルの構成を提案してきました。

kokkai-search/
├── SKILL.md           # スキルの説明と使い方
├── references/
│   └── api_params.md  # APIパラメータの詳細リファレンス
└── scripts/
    └── kokkai_search.py  # 検索スクリプト本体

Pythonスクリプトでは、コマンドライン引数でパラメータを受け取り、APIを叩いて結果をJSON形式で返すようになっています。

私がやったのは「作って」と頼むことと、動作確認だけでした。

スキルの中身

興味がある方向けに、スキルがどう動いているか簡単に説明します。

SKILL.md

Claudeがスキルをいつ使うべきか判断するための説明文です。「国会で〇〇についてどう議論された?」「〇〇議員の発言を調べて」といったフレーズがトリガーになります。

kokkai_search.py

実際にAPIを叩くPythonスクリプトです。主な機能は以下の通り。

  • --any:発言内容をキーワード検索(AND検索)
  • --speaker:発言者名で検索
  • --meeting:会議名で絞り込み(予算委員会、本会議など)
  • --house:院を指定(衆議院/参議院
  • --from / --until:期間を指定
  • --mode:出力モード(meeting_list/meeting/speech)

meeting_listモードは発言本文なしの軽量な一覧、speechモードは該当発言の本文付きで返してきます。

注意点

  • 古い会議録(第144回国会以前)はOCR由来の誤字がある場合があります
  • APIへのアクセスは数秒間隔を空ける必要がありますが、スクリプト側で対応済みです
  • 国会議員としての発言記録なので、地方議員時代の発言は含まれません

まとめ

Claudeのスキル機能を使うと、外部APIと連携した便利なツールを作れます。今回は国会会議録検索APIを使いましたが、公開APIがあるサービスなら同じようなスキルを作れるはずです。

選挙の際に「この人、国会で何を言ってきたんだろう」と気になったら、ぜひ使ってみてください。